オランダに移住する理由の1つとして子供の教育をオランダで受けさせたいという人も多いかと思います。オランダは海外企業の法人税を安く設定しており日本企業のヨーロッパ支社、本社をオランダに置く企業が多い。
本人の希望に関わらず急な辞令でオランダ赴任が決まる場合も少なくありません。私もその一人でしたが、そういう日本からの転勤族は数年後に日本に帰るため、子供をオランダに連れてきた際に教育、学校をどうするか?
頭を悩まされる方も多いです。今日はオランダで子供の学校、言語をどうすべきか?私の体験を元に1つの考え方をお伝えいたします。
いつも肯定してくれる優しい日本人のSさん
私が2010年オランダに赴任した時、息子は生まれたばかりのゼロ歳でした。
ベルギーアントワープにダイヤモンド商を営む友人の日本人Sさんがいて、時々ベルギーで会っていました。
Sさんはいつもニコニコしていて、私がオランダに来たので、これをやりたい!ここに行きたい!などと意気込んでいうと、「素晴らしいですね、是非やってみるといいですよ」といつも励ましてくれました。
Sさん:子供の語学についてのアドバイス
息子が4歳になる間近またSさんに会いました。
オランダでは4歳から小学校(初等教育)に入学でき、5歳から義務教育が始まります。現地オランダ語の学校か、日本語の学校(幼稚園)か、英語のインターナショナルスクールに入れるか考えている時でした。
私が住んでいたAmstelveenにISA(International School of Amsterdamの略)というヨーロッパ有数のインターナショナルスクールがあり、最高の設備と最高の先生による授業が魅力的でした。インターナショナルスクールなので、英語オンリーの授業です。

筆者撮影: ISAの教室の様子
私の会社は駐在員には学費の半額を補助するというルールがあり、ISAの学費年2万€の半額補助は非常に魅力的でした。さらに、息子が英語の学校に行けばバイリンガルになれる!これはいい!と言うことでISAにしようと決めかけていた時、そのことをSさんに話すと・・・
「ああ、それは絶対ダメです、止めた方がいい、息子さんは日本語の学校にした方がいいですよ!」と初めてSさんに否定されたので驚きました。

Sさんはいつものように笑みを浮かべながら、あなたは数年後に日本に帰国しますよね。ということは息子さんはその後はずっと日本語の環境になります。なので英語は止めておいた方がいい。
人間は5歳までに覚えた言語が核となり、その言語を使って深く物事を考え、思慮する。なので、あなたの息子さんは日本語を徹底的に覚えさせた方が良いですよとのこと。
核となる言語とは通常「母語(アイデンティテイを形成する言語)」をさします。
幼少期に周囲の環境から自然に習得した最初の言語であり、思考、感情表現、文化的帰属意識の根幹をなす「アイデンティティを形成する言語」のこと。単なるコミュニケーション手段を超え、自分は何者であるかという自己同一性に深く関与しており、継承語の不在はアイデンティティの一部欠如を感じさせる可能性もある重要な要素。

詳細はYoutube動画1:21付近で解説しています。
核となる言語を持たないと深く思考できなくなる
Sさんは例を挙げて説明してくれました。Sさんの友人で、5歳までに6か国語を覚えた子がいるのですが、どの言語も浅く広く学んでいたため大人になっても深く考えることができないそうです。

例えば我々日本人の多くは頭の中で考え事をするとき、日本語で考えますよね。
それが核の言語です。核となる言語が定まってないと深く物事考えられない人間になってしまうのだそうです。これをダブルリミテッド現象と言います。
主に海外移住やバイリンガル教育の過程で、母語(第一言語)が十分に発達しないまま別の言語(第二言語)を学び始め、結果的にどちらの言語も年齢相応に使いこなせなくなる状態。日常生活の会話は可能でも、抽象的な思考や教科の学習に必要な言語能力が不足し、学力低下や自己肯定感の低下を招くリスクがある。
これを聞いてなるほど、その通りだなあと思いました。私は英語がそれほど流暢ではないため、もし英語で物事を考えなさいと言われても深く考えることはできません。同僚にもっと詳細に伝えたい時でも英語なので浅い内容しか伝えないこともありました。
Sさんのいう通りだなあと深く感心しました。ただし結果的には、私は息子をISA、インターナショナルスクールに通わせました。1年後、息子が5歳の時に日本に帰国しました。息子は今では中学生になりましたが、確かに今も国語は苦手、理数系が得意です。
もともと息子は理数系が好きでしたが、やはり幼少期には日本語をもっとしっかりと勉強させるべきだったかなと思います。
詳細はYoutube動画3:08 付近で解説しています。
子どもには日本語か?英語か?オランダ語か?
オランダに数年間だけ転勤する方は、このことを踏まえて、Amsterdam日本人学校にするのか?

出展:筆者撮影 アムステルダムにあるオランダ日本人学校
オランダ現地校か?ISAなどのインターナショナルスクール(英語)にするのかをじっくり考えたほうがよいです。
オランダに移住、永住を考えている方はお子さんはオランダ語を覚えたほうがよいので、授業料無料の現地オランダ校がお勧めです。以下にまとめますので参考にしてください。
| 学校の種類 | 対象年齢 | 特徴 | 授業料 |
| オランダ現地校(公立) | 4~18歳 | オランダ語で授業。現地に最もなじめる | 無料 |
| アムステルダム日本人学校 | 6~15歳 小・中学校 |
日本語で授業 日本式教育、帰国予定者向け |
5千~8千€ |
| Dutch International school | 4~18歳 | 英語で授業。効率扱いで学費が安い | 4千~7千€ |
| Private International school | 4~18歳 | 英語で授業British/American/IBなど多様。設備充実 | 1.5万~2.5万€ |
※学費は2026年現在の目安です。
詳細はYoutube動画1:36 付近で解説しています。
オランダの保育園ピューターとは
次に2歳から4歳までのオランダ教育について説明します。私がオランダに住んでいた6年間で、息子は0歳から5歳になりました。オランダでは、2歳から4歳までが保育園、4歳から12歳まで小学校8年まであります。
まず2歳になると、市役所から手紙が来て、ピューターという保育園への入園を勧められます。
正式名称はPeuterspeelzaal(ピュータースペールザール)といい、略してピューターと呼ばれています。

ピューターは遊びと集団生活、社会性を身につけるための教育で週2日ほど通います。言語はオランダ語のみです。

息子は毎日楽しくピューターに通っていて、オランダ語も当時は理解していました。オランダ文化を学ぶためにもピューターはお勧めです。月謝は年収に応じて決められ、数十ユーロから300€程度です。


実際どこのピューターに通わせるのかは自分で選ぶのですが、口コミなどで評判の良い所を選びましょう。ピューターの施設や先生の評価、庭の広さなど。日本の保育園や幼稚園選びと同様です。

人気のあるピューターは予約して空きが出るまで待つ必要があります。その場合、空きが出るまでは別のピューターに通わせて、空きが出たら転校するということになります。ピューターの転校はよくあることなので気を遣わなくても大丈夫です。

詳細はYoutube動画1:09 付近で解説しています。
保育園(ピューター)のウェイティング、待機状況
2026年現在、アムステルダム、ユトレヒト、ロッテルダム、デン・ハーグなどでは、0〜3歳児の保育園フルタイム枠は1年前からの申し込みでも待機、ウェイティングの状況です。
そこでなんと、妊娠中からプレ登録をして予約をするのが一般的です。また下記の優先順位のルールも確認しておきましょう!
・兄弟姉妹がすでに保育園に在籍
・職員の子供
・特定企業、自治体との提供枠
オランダの保育料と補助金制度
– 保育料は「時間単価 × 契約時間」で決まります。
– 園ごとに時間単価は異なるが、国が「補助対象となる上限単価」を毎年定めています。
– 実際の単価が上限を超える場合、超過分は全額自己負担となります。
– 世帯所得 x 子供の人数 x 利用形態(午前のみ、全日など)で計算されます
– 低~中所得層は80~95%程度の補助になるケースが多く、さらに1人目よりも2人目の方が補助率が高い
– 必要条件として保育園がKinderopvangregisterに登録されている必要があります
保育園の保育料と補助金の例として以下表にまとめます。
| 項目 | 金額例 |
| 円の時間単価 | 10€ / 時間 |
| 利用時間 | 9時間 x 週2日 x 4週 = 72時間/月 |
| 月額保育料 | 720€ |
| 補助率(例80%) | 576€ / 月 補助 |
| 実質負担額 | 144€ / 月 |
80%も補助となると、実質の負担額はかなり低くなります。
具体的な金額は毎年更新されるため最新の上限単価は Rijksoverheid の Kinderopvangtoeslag 2026を参照してください。
日本式幼稚園「チューリップ学園」
我が家の場合いずれは日本に帰ると分かっていたので、日本の文化を学ばせるために「チューリップ学園」に通わせました。アムステルダム日本人幼稚園「チューリップ学園」はAmstelveenにあり、すべて日本語で行う日本人のための幼稚園です。
| チューリップ学園 | Stichting Tulip Gakuen School |
| 住所 | Amsterdamseweg 209,1182 GW AMSTELVEEN |
| 電話 | 020-6615182 |
2歳から4歳までで、週1日コースか、週4日コースがあります。うちの子は週1日コースにしました。

よって2歳から4歳までは、週2日ピューター、週1日はチューリップ学園に通い、オランダと日本の文化を学ばせておりました。
チューリップ学園の良い点は、やはり日本語で日本の文化、遊びを学べる点です。2月は豆まき、3月は桃の節句、春は花見、5月は子供の日、7月は七夕など。
幼い時期に正しい日本語をしっかり学べるのも魅力です!いずれ日本に帰国する方にはおすすめですよ!
うちはピューターとチューリップ学園、両方通ってました。オランダの文化も学びつつ、日本の文化、日本語も学んでほしかったので。結果として両方通って正解でした!
詳細はYoutube動画2:16 付近で解説しています。

筆者撮影:Amstelveen中心部にある桜満開の様子。芝生で花見をしながらお弁当を食べると最高ですよ!
そして4歳になると小学校にあがるのですが、うちの子はAmstelveenにあるISA、正式名称International School of Amsterdamというインターナショナルスクールに通いました。



ISAについてはこちらの記事をご覧ください。
数年後に帰国される方は「日本語」を学ぶことも重要です。日本語を主に学びつつ英語教育を検討するのが良いかと思います。筆者の経験がお子様の将来を考える一つのヒントになれば幸いです。


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